代謝から見た『骨活』完全ガイド
―骨は毎日生まれ変わっている? ―
はじめに
骨は、大人になったらそのまま…そう思っていませんか?
実は、骨は大人になっても毎日『壊して』『作って』を繰り返す、生きた組織です。
この仕組みを『骨代謝』と呼び、骨の強度はこの代謝によって維持されています。
この記事では、整形外科医の視点から
『代謝からみた骨活』をテーマについて分かりやすく解説します。
骨代謝とは?
骨代謝には、2つの細胞が関わります。
●破骨細胞:古くなった骨を壊す細胞
●骨芽細胞:新しい骨をつくる細胞
この2つの働きがバランスよく保たれていると、骨は健康な状態を維持します。
しかし、破骨が強くなりすぎたり、骨芽の働きが弱くなると、骨粗しょう症へと進行します。
骨代謝に働きかける『骨活』としては、『運動療法』と『薬物療法』が挙げられます。
運動療法の意義
運動が重要な理由は2つあります。
『骨代謝の活性化』と『転倒予防』です。
1.骨代謝の活性化
骨は、刺激を受けると『強くなろう』とする性質があります(ウルフの法則)。
つまり、骨に適度な負荷をかけることが代謝を促すカギです。
おすすめの運動:
●縄跳び(特に効果的)
●太極拳
●ウォーキング、かかと落とし
2.転倒予防
高齢者にとっては、転ばないこと=骨を守ることです。
以下のようなトレーニングで、転倒を予防しましょう。
●片足立ち おしりの筋肉を鍛える
●太もも上げ運動 太ももの筋肉を鍛える
薬物療法の意義
運動は重要ですが、体力の低下、ホルモンバランスの変化(閉経など)、加齢による影響など他の要素が強くなると、運動だけでは限界があります。
そこで登場するのが、**『薬による治療』**です。
薬物療法の特徴
●メリット:効果が非常に高く、かつ医療保険で割引が効く
●デメリット:医師の診断が必要、強力が故に副作用のリスクがある
薬が必要かどうかは、骨密度検査や骨折歴、年齢や既往症などをもとに、医師が総合的に判断します。
栄養と骨代謝の関係
栄養と骨代謝は、別々ではなく強く関係しています。
たとえば、ビタミンDは『カルシウムの吸収』と『骨代謝の調整』の両方に関与します。
●栄養が足りなければ、骨を作る材料がない
●代謝が乱れれば、せっかくの材料も活かせない
つまり、『栄養』『運動』『投薬』どれか一つではなく、すべてを正しく行うことが重要なのです。
習慣がすべてをつなぐ
骨粗鬆症は治療継続率が悪い事でも有名(1年で50%が離脱したという報告もあります)で、どうすれば続けられるか調べた研究があります。
結果最も有効だったのは、『繰り返し必要性を訴えること』だったそうです。
この研究を見た時は『そんな元も子もない』と思いましたが、これこそ『コツコツグルメ』の出発点です。
『食卓に骨を思い出すきっかけ』があれば、『定期的に骨を思う習慣』が身につき、『治療の必要性を忘れない』と考えたのです。
最後に
代謝から見た『骨活』をテーマにお話しました。参考になったでしょうか。
ここまで読んで頂いた方、あなたはかなり骨に詳しい方だと思います。
その知識を忘れる前に他の方にも伝えてあげてください。
忘れたらこの『コツコツグルメ』に戻ってきて復習すれば大丈夫。
私は『繰り返し必要性を訴え』ます。
この情報はすべて無料で公開しています。
専門医の立場から、知識が広がることを一番の目的にしています。
もし『応援したい』と思っていただけたら、
コツコツグルメを試してみてもらえると嬉しいです。
でももちろん、情報だけ持ち帰ってもらっても構いません。
“思い出したときに戻れる場所”として、
これからもコツコツ発信を続けていきます。
整形外科専門医
