代謝から見た『骨活』完全ガイド

―骨は毎日生まれ変わっている? ―

はじめに

 

骨は、大人になったらそのまま…そう思っていませんか?

 

実は、骨は大人になっても毎日『壊して』『作って』を繰り返す、生きた組織です。
この仕組みを『骨代謝』と呼び、骨の強度はこの代謝によって維持されています。

 

この記事では、整形外科医の視点から
『代謝からみた骨活』をテーマについて分かりやすく解説します。


 

骨代謝とは?

 

骨代謝には、2つの細胞が関わります。

 

破骨細胞:古くなった骨を壊す細胞

骨芽細胞:新しい骨をつくる細胞

 

この2つの働きがバランスよく保たれていると、骨は健康な状態を維持します。
しかし、破骨が強くなりすぎたり、骨芽の働きが弱くなると、骨粗しょう症へと進行します。

 

骨代謝に働きかける『骨活』としては、『運動療法』『薬物療法』が挙げられます。


 

運動療法の意義

 

運動が重要な理由は2つあります。

『骨代謝の活性化』『転倒予防』です。

 

1.骨代謝の活性化

 

骨は、刺激を受けると『強くなろう』とする性質があります(ウルフの法則)。
つまり、骨に適度な負荷をかけることが代謝を促すカギです。

 

おすすめの運動:

縄跳び(特に効果的)

太極拳

ウォーキング、かかと落とし

2.転倒予防

 

高齢者にとっては、転ばないこと=骨を守ることです。
以下のようなトレーニングで、転倒を予防しましょう。

 

片足立ち おしりの筋肉を鍛える

太もも上げ運動 太ももの筋肉を鍛える


 

薬物療法の意義

 

運動は重要ですが、体力の低下、ホルモンバランスの変化(閉経など)、加齢による影響など他の要素が強くなると、運動だけでは限界があります。

 

そこで登場するのが、**『による治療』**です。

 

薬物療法の特徴

 

メリット効果が非常に高く、かつ医療保険で割引が効く

デメリット医師の診断が必要、強力が故に副作用のリスクがある

 

薬が必要かどうかは、骨密度検査や骨折歴、年齢や既往症などをもとに、医師が総合的に判断します。


 

栄養と骨代謝の関係

 

栄養と骨代謝は、別々ではなく強く関係しています。
たとえば、ビタミンD『カルシウムの吸収』『骨代謝の調整』の両方に関与します。

 

●栄養が足りなければ、骨を作る材料がない

●代謝が乱れれば、せっかくの材料も活かせない

 

つまり、『栄養』『運動』『投薬』どれか一つではなく、すべてを正しく行うことが重要なのです。


 

習慣がすべてをつなぐ

 

骨粗鬆症は治療継続率が悪い事でも有名(1年で50%が離脱したという報告もあります)で、どうすれば続けられるか調べた研究があります。

 

結果最も有効だったのは、『繰り返し必要性を訴えること』だったそうです。

この研究を見た時は『そんな元も子もない』と思いましたが、これこそ『コツコツグルメ』の出発点です。

 

『食卓に骨を思い出すきっかけ』があれば、『定期的に骨を思う習慣』が身につき、『治療の必要性を忘れない』と考えたのです。


 

最後に

 

代謝から見た『骨活』をテーマにお話しました。参考になったでしょうか。

 

ここまで読んで頂いた方、あなたはかなり骨に詳しい方だと思います。

 

その知識を忘れる前に他の方にも伝えてあげてください。

 

忘れたらこの『コツコツグルメ』に戻ってきて復習すれば大丈夫。

 

私は『繰り返し必要性を訴え』ます。

この情報はすべて無料で公開しています。

 

専門医の立場から、知識が広がることを一番の目的にしています。

 

もし『応援したい』と思っていただけたら、

 

コツコツグルメを試してみてもらえると嬉しいです。

 

でももちろん、情報だけ持ち帰ってもらっても構いません。

 

“思い出したときに戻れる場所”として、

 

これからもコツコツ発信を続けていきます。

 

整形外科専門医