骨粗鬆症を知ろう!
専門医による解説~その3
骨に必要な栄養素

はじめに


 こんにちは。このページは整形外科専門医の金井による様々な整形外科疾患の解説ページです。元ページの「コツコツグルメ」は、金井が自身の臨床経験から「あったらいいな」と思うサービスを形にしたもので、骨粗鬆症専用の食事サービスです。骨の栄養に興味がある方は是非元ページもご供覧くださいませ。

 この記事では、「骨に必要な栄養素」について解説していきます。

骨に必要な栄養素とは?


 骨の強度を保つのに必要な栄養は具体的に何でしょうか。それは、「骨の材料」と「骨の代謝に重要な栄養素」です。家で例えるならば、「木材などの材料」と「大工さんと耐震性能」という感じでしょうか。具体的には大きく4つ、「カルシウム」「タンパク質」「ビタミンD」「ビタミンK」です。

カルシウムとタンパク質


 カルシウムはすぐに思い浮かぶかもしれません。はその大部分、約60~70%がカルシウムで出来ていて、骨密度に大きな影響を与えています。次にタンパク質が重要です。約15~20%はタンパク質(コラーゲン)で骨格を形成しており、強度と柔軟性に関係しています。鉄筋コンクリートの家に例えれば、「鉄筋がタンパク質」、「コンクリートがカルシウム」のイメージです。タンパク質は「肉類」「」「」、カルシウムは「乳製品」「小魚」「小松菜」などに豊富に含まれています。

ビタミンD


 ビタミンDは、食事からのカルシウム吸収を助ける働きと、ホルモンを介して骨代謝を調節する働きがあります。また、骨格筋維持にも重要な働きをすると言われていますが、これはまだ何故かははっきり分かっていません。ビタミンDは日本人で不足している人が多いことが知られており、日本のある調査で平均年齢43.6歳の健常者722人で計測したところ、男性で75%以上、女性は90%以上が不足または欠乏水準という研究もあります。食材としては「青魚」「きのこ類(特にキクラゲ)」がお勧めで、ほか日光浴でも作ることが出来ます。天気の良い日は熱中症に注意しつつ散歩してくださいね。

ビタミンK


 ビタミンKはあまり聞きなれないかもしれません。ビタミンKはオステオカルシンというタンパク質を活性化する働きがあります。オステオカルシンは骨の構造の一部を担うほか、骨の代謝に重要な働きを持ちます。ビタミンKは納豆、緑黄色野菜に多く含まれています。ワーファリンという薬を飲んでいる方は、相互作用するので摂りすぎに注意が必要ですので主治医の先生に相談した上で摂取しましょう。

その他の栄養素


 最も重要な4要素は上述の通りです。ほか、上記4つほどではありませんが「マグネシウム」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」も骨と関連のある栄養素ですので、摂取できると望ましいですね。

おわりに


 今回の記事は以上です。丈夫な骨を作るのに必要な基本的な栄養素について説明しました。毎日の食事を考える際、参考にしてみてくださいね。自分で考えるのが難しい方は、手前味噌ですが「コツコツグルメ」を1日1品試してみてはいかがですか。初回限定クーポン「FT20」でお得に試せますよ。

 次の記事では「機能性原料」について医師の視点から考えてみたいと思います。

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