【専門医が解説】
ごはんで『骨活』ガイド

食事で骨を守る
基本的な考え方

はじめに

こんにちは。「ごはんで骨活」へようこそ。整形外科専門医の金井です。

骨活は短距離走ではなくマラソンです。

5年後、10年後の自分の骨のために、

必要十分な栄養素を長い期間全うする必要があります。

今日だけカルシウムを沢山摂っても、

明日の骨が急に強くなるわけではないのです。

今回の記事では、日々のごはんでどのように骨活するかを考えます。

① 全うすべき栄養素とは

② 日本における栄養の実態

セルフチェック

具体的な対策方法

上記の順に解説していきます。

マラソンは走り続けることが大事ですから、

知識をつけて無理なく続けられる様に日々の生活に落とし込んでいってください。


① 骨に必要な「4大栄養素」

骨粗鬆症対策=カルシウム、と思っていませんか?

骨という「家」を建てるには、4つの材料が不可欠です。どれか一つ欠けても、丈夫な家は建ちません。

栄養素役割(家の建築に例えると)
タンパク質【基礎・鉄筋】 骨の体積の半分を占め、基礎構造を成します。
カルシウム【コンクリート】 鉄筋の周りを固めて、骨に「硬さ」を与えます。
ビタミンD【大型トラック】 腸からカルシウムを吸収させ、骨に運ぶ役割をします。
ビタミンK【高性能ネジ】 コレが無いと、カルシウム骨にうまく定着しません。

【保存版】4大栄養素・食材リストと食べ方

それぞれの栄養素を「何から」「どう摂るか」、医師の視点で解説します。

タンパク質

食材肉、魚、卵大豆乳製品

摂取のコツ

「毎食」分ける:一度に大量に摂っても吸収しきれません。朝・昼・夕に手のひらサイズずつ食べましょう。

朝食がカギはタンパク質が不足しがち。「卵1個」「ヨーグルト」を足すのが近道です。

カルシウム

食材乳製品、小魚、厚揚げ、小松菜

◎摂取のコツ

吸収率なら乳製品牛乳の吸収率は約40%と高く効率的です。

野菜・小魚の工夫:これらは吸収率が低めですが、

**「お酢」「マルトビオン酸」「ビタミンD」**

などと一緒に摂ることで吸収がアップします。

ビタミンD

食材魚類(鮭、青魚系)、きのこ類(きくらげ)

摂取のコツ

魚が最強:切り身の鮭1切れで1日分以上摂れます。

日光浴皮膚に紫外線を当てて体内でも作られます。

なら日陰で15分日なたで30分以上は浴びましょう。

ビタミンK(骨にカルシウムを定着)

豊富な食材納豆緑黄色野菜(小松菜、ブロッコリー)、海藻

◎摂取のコツ

納豆1パックで十分すぎる量が摂れます。

・野菜は油と一緒に:ビタミンKは脂に溶ける「脂溶性」です。

青菜などは**「炒め物」「ドレッシング」**で油と一緒に摂ると吸収率が上がります。


日本における栄養の実態

下の表は、

・国民健康栄養調査(令和5年)

・日本人の食事摂取基準(2025年版)

・骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2025年版

から高齢女性の栄養の実際のデータをまとめたものです。

栄養素推奨摂取量/日平均摂取量/日
タンパク質体重(kg)×1.2g67g
カルシウム700-800mg517mg
ビタミンD15-20μg7.3μg
ビタミンK250-300μg260μg

表より、日本人の平均的な食生活では、以下の量が

毎日足りていません

カルシウムマイナス200~300mg(深刻な不足)

・タンパク質:概ね充足だが個人差あり

ビタミンDマイナス8-15μg(深刻な不足)

・ビタミンK:充足だが個人差あり(納豆・野菜嫌いの方は注意)

この足りない分を埋めることが、ごはんで骨活のミッションです。

特定の栄養素について過剰摂取をする必要はありません


栄養セルフチェック

では、今のあなたの食事は合格点でしょうか?

3つのチェックシートを使って、現状を把握してみましょう。

【① カルシウム自己チェック】

今の食生活で点数をつけてみてください。

合計点数×40=おおよその摂取量mgになります。

項目頻度と点数あなたの点数
1. 牛乳毎日(4) / 週3-4回(2) / 週1-2回(1) / 飲まない(0)
2. ヨーグルト毎日(4) / 週3-4回(2) / 週1-2回(1) / 食べない(0)
3. チーズ毎日(2) / 週3-4回(1) / 週1-2回(0.5) / 食べない(0)
4. 豆腐・納豆毎日(2) / 週3-4回(1) / 週1-2回(0.5) / 食べない(0)
5. 青菜(小松菜等)毎日(2) / 週3-4回(1) / 週1-2回(0.5) / 食べない(0)
6. 魚(骨ごと)毎日(4) / 週3-4回(2) / 週1-2回(1) / 食べない(0)
7. 小魚(しらす等)毎日(2) / 週3-4回(1) / 週1-2回(0.5) / 食べない(0)
8. 3食食べる食べる(2) / 欠食あり(0)

<判定>

20点以上:足りています。

15点以下要注意!

→骨の材料不足かもしれません。

【② タンパク質チェック】

簡易的なチェックです。

片手の手のひらサイズ」の肉や魚を、1日3食食べていますか?

もし答えが「いいえ」なら、タンパク質も不足している可能性が高いです。

朝はパンだけ、昼は麺だけになっていませんか?

【③ ビタミンKチェック】

項目はいいいえ
1. 納豆を週に2パック以上食べますか?
2. 小松菜、ほうれん草などの青菜を毎日小鉢1つ以上食べますか?
3. ブロッコリーやキャベツをよく食べますか?
4. 海苔やわかめなどの海藻類をよく食べますか?

<判定>

「はい」が0~1個の方

危険信号です。

納豆が食べられない方

意識して青菜(小松菜など)を摂りましょう。

それも難しければ、サプリメントの活用を推奨します。

重要:持病やお薬との飲み合わせについて

骨に対する栄養療法は、糖尿病・高血圧・高脂血症などの一般的な生活習慣病の食事療法とは両立可能です。

しかし、以下の方は相性が悪い場合があるため、必ず主治医や管理栄養士にご相談ください。

肝臓や腎臓が悪い方(タンパク質制限が必要な場合があります)

ワーファリンを服用中の方(ビタミンKと拮抗し、薬の効果を弱める可能性があります)


解決策:「医師と骨活」のススメ

ここまで読んで下さった方

かなり自分の骨の栄養について理解が深まっていると思います。

あとは、自分の生活に落とし込むだけです。

しかし、

「毎日牛乳を飲んで、魚を焼いて、日光浴をして…」

これを毎日完璧にこなせる方はそれで良いですが、

難しい人もいるでしょう。

そこで、私の提案は

「無理なく続け、賢く頼る」です。

① 「一日一骨(いちにちいちこつ)」の習慣

1日1回だけ、「骨に良いもの」を意識して食べてみましょう。

納豆1パックでも、ヨーグルト1個でも構いません。

「ゼロ」を「イチ」にするだけで、年間365回の積み上げになります。

② 「骨活用のストック食(保存食)」を用意する

自炊ですべて補うのが難しい日は、

「骨活用のストック食」を活用しましょう。

魚の佃煮などを冷凍保管してもいいでしょうし、

おやつで栄養補強するのも良いでしょう。

コツコツグルメでは、専門医の私が味と栄養両面で評価し、

医師として忖度なくおすすめと思った商品を紹介し、

その理由をデータに基づいて解説していきます。

扱う商品のレパートリーは順次増やしていく予定です。

良ければそちらも参考にしてみてくださいね。

自分の趣味趣向に基づいて、

自分に足りない栄養素を、賢く補給しましょう。

今のあなたなら、出来るはずです。

これらは決して手抜きでなく、

将来のための、賢い投資」です。


おわりに

骨活は、美味しいごはんでこそ続きます。

修行のような食事制限や、

味気ないサプリメントだけでは、

人生のマラソンは走り切れません。

まずは今日の食事に、「あと一品」

骨に良い食材を足すところから始めてみませんか?

あなたのその一口が、

5年後10年後のあなたを支える骨になります。

一緒に、美味しく骨を守っていきましょう。

コツコツグルメでは、このように科学的根拠に基づく『骨活』を、専門医による定期的な情報発信を通じてサポートしています。

必要な情報は全て、ここで無料で手に入ります。まずは友だち登録から⇩


参考資料・出典:

  • 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版
  • 日本人の食事摂取基準(2025年版)
  • 国民健康・栄養調査(令和5年)

【免責事項】 本記事の内容は、執筆時点でのガイドラインやエビデンスに基づき作成しておりますが、医学的情報の正確性や安全性を完全に保証するものではありません。 個々の患者様の病状や体質によって適切な治療法は異なります。自己判断での治療中断や変更は行わず、必ず主治医にご相談ください。


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創業医師  金井 研三(かない けんぞう)

東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。

専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。

地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。予防医学×ビジネスに医師が直接コミットする必要性を訴えている。

「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。

日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。