アレンドロン(ビスホスホネート製剤)について
骨粗鬆症を防ぐために!
専門医による解説~その17
はじめに
こんにちは。このページでは、整形外科専門医・金井が様々な整形外科疾患を解説します。
今回は飲み薬の中では一番強いエビデンスを持つ骨吸収抑制薬「アレンドロン(一般名:ビスホスホネート製剤)」について、分かりやすく解説します。
ビスホスホネート製剤とは?
骨を壊す働きを持つ「破骨細胞」の活動を抑える飲み薬です。アレンドロン、ボナロン、ボノテオ、フォサマック、リセドロン、ゾレドロン等様々な名前の薬があります。一部の注射薬を除くと一番強い薬と言って差し支えなく、最も沢山使われている薬です。
ビスホスホネート製剤の特長は?
骨粗鬆症治療四天王の一角(効果の高いTOP4)の一角で、特長は3つ。「さまざまな薬の形状」「コスパNo.1」「独特な飲み方」です。順に説明します。
①さまざまな薬の形状
錠剤、ゼリー剤、点滴等様々なタイプの薬があり、週1回、月1回、年1回など患者さんのニーズに合わせた投薬方法があるユニークな薬です。
②コスパNo.1
骨粗鬆症薬の飲み薬の中で、最も強力です。さらに、製剤の種類によって差はありますが、3割負担でも月額250円程度と脅威のコスパを誇ります。
③独特な薬の飲み方
副作用対策の為、飲み方が独特です。「朝起き抜けにコップ一杯の水で飲み、30分は横にならず飲食をしない」という飲み方をします。飲み方には慣れが必要です。
副作用は?
ポイントは3つ。「インフルエンザ様症状」「胃腸障害」「非定型骨折と顎骨壊死」です。順に説明します。
①インフルエンザ様症状
発熱や関節痛など、風邪を引いたような症状が出ることがあります。通常、出るのは最初だけで重篤になることはほとんどありません。
②胃腸障害
薬に食道粘膜への刺激作用があるため、胃部不快感や吐き気、腹痛など腹部症状を生じる場合があります。この副作用を避けるため、独特な飲み方をするのです。
③非定型骨折と顎骨壊死
破骨細胞を抑える(骨代謝を抑える)タイプの薬全般で共通して報告されている頻度が少ない副作用がこの二つです。長期間(5年以上)同じ薬を使い続けると頻度が上がります。
通常と違う場所に骨折が起きたり、顎の骨が溶けたりします。起こると怖いですが、確率は0.01%くらいです。
50-70%くらい骨折を防ぐ薬なので使うメリットの方がずっと大きいのがポイントです。顎骨壊死は虫歯の人に多いので、定期的に歯科通院すると良いでしょう。
実際の効果(エビデンス)
大規模な臨床試験では、例えばゾレドロンを3年間投与したことで、
| 骨折の種類 | 骨折リスクの減少率 |
| 新規椎体骨折(背骨) | 約70% |
| 大腿骨近位部骨折 | 約41% |
| 非椎体骨折(その他の骨折) | 約25-34% |
という、非常に高い骨折予防効果が確認されています。
ビスホスホネート製剤の使い方
大きく2パターンで、「メインの薬としてタイミングを問わず使われるパターン」か「骨形成薬からの引き継ぎ」です。
この薬は休薬も出来るので、骨密度の経過がすごく良い時や、長期間内服した後は薬を止める場合もあります。大体3-5年くらい継続して休む場合が多いです。
メインの薬としてタイミングを問わず使われるパターン
効果、使いやすさ、安さ、いずれも文句なし。「骨密度が低い」と言われたほとんど全ての人に、真っ先に勧められる薬です。
骨形成薬からの引き継ぎ
リスクの高い骨粗鬆症などでは、まず骨形成促進薬(骨代謝を促す薬)を使うことがあります。その後、形成した骨を守る引き繋ぎの薬としてビスホスホネート製剤が選ばれるパターンです。
私から伝えたいこと
この薬は沢山出されているので、すでに内服している方も多いかもしれません。それだけ効果が高く続けやすい薬です。
それ故、10年など長く投与されているケースも多く見かけます。それが必ずしもダメなわけではありませんが、「5年以上飲んでいるよ」という方は、一度主治医の先生に変薬を相談してみても良いかもしれません。
おわりに
今回の記事は以上です。「ビスホスホネート製剤」の特徴と、使い方について解説しました。
骨の代謝を調整する薬は、骨の材料がないと十分な効果が得られません。日々の食事から必要な栄養素(特にカルシウムとビタミンD)をしっかり摂る「骨活」も、治療の土台として欠かせません。
この記事のリマインドの意味を込めて「コツコツグルメ」の公式ラインを是非ご活用下さい。専門医からの定期メッセージが届きます。

【免責事項】 本記事の内容は、執筆時点でのガイドラインやエビデンスに基づき作成しておりますが、医学的情報の正確性や安全性を完全に保証するものではありません。 個々の患者様の病状や体質によって適切な治療法は異なります。自己判断での治療中断や変更は行わず、必ず主治医にご相談ください。
参考資料:
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版
- Black DM, et al. Once-Yearly Zoledronic Acid for Treatment of Postmenopausal Osteoporosis. NEJM 2007;357:1799–1809.
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創業医師 金井 研三(かない けんぞう)
東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。
専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。
地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。予防医学×ビジネスに医師が直接コミットする必要性を訴えている。
「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。
日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。