【専門医が解説】
運動で『骨活』ガイド
体力別運動 中級編
~体力に応じた
オススメの運動リスト
はじめに
こんにちは。「運動で骨活」へようこそ。
骨活における運動の目的は3つ。理解出来たでしょうか。
まだの人は基礎編から見て下さいね。
体力によって出来る運動の種類は変わりますが、目的3つは変わりません。
体力別に初級、中級、上級に分け具体的にどのような運動が良いかを解説していきます。
今回は中級編です。
自分の体力や、好み・趣味と照らし合わせ楽しく続けられる運動を考える参考になれば幸いです。
中級編
日常的に歩くことができ、少し体力に余裕が出てきた方はこちらから。
立って行う運動が増えるため、転倒には十分注意しましょう。
① 踵落とし(立位) 【代謝促進】

壁や椅子の背もたれに軽く手を添えて立ちます。
背筋を伸ばして両足のかかとを高く上げ、ストンと床に落とします。
自分の体重を乗せ、骨に強い刺激(荷重)を与え骨代謝を促進します。
② 踏み台昇降 【筋トレ・有酸素】

階段の1段目や、10〜15cm程度の安定した台を使います。
「右足アップ、左足アップ、右足ダウン、左足ダウン」とリズミカルに上り下りを繰り返します。
下半身の筋トレと、有酸素運動効果もあります。
③ 椅子立ち座り運動 【筋トレ】

椅子の前に立ち、背筋を伸ばしたまま、お尻を後ろに引くようにしてゆっくり腰を下ろします。
座ったら一呼吸置いて、再び立ち上がります。
転倒を防ぐ太ももとお尻の筋トレです。背筋を伸ばせば体幹にも効きます。
④ ウォーキング(早歩き) 【有酸素・代謝促進】

普段より少し歩幅を広げ、人とギリギリ会話ができる程度の「早歩き」を行います。
骨に刺激を与え骨代謝を促進しながらの有酸素運動になります。
2本のポール(杖)を使うノルディックウォーキングもオススメです。
背筋がスッと伸び、全身を使った安全な有酸素運動になります。
⑤ 水中ウォーキング 【有酸素】

膝や股の関節や腰の痛みがある場合は、水中ウォーキングが良いでしょう。
水の抵抗と浮力により、関節を守りながら有酸素運動が可能です。
転倒リスクもほとんどありません。
ただし、骨への刺激が少なくなるので、代謝促進を他の運動(踵落としなど)で補完するようにしましょう。
運動の「目安」について
「何回やればいいの?」「何分歩けばいいの?」については、以下の基準を参考にしてください。
■ 筋トレ・骨刺激の目安
スクワットや踵落としなどは、「まず丁寧に10回」やるように意識してください。
その10回を一日に何セットやるかは自分の体力と気力に応じて決めて下さい。
毎日セット数(2-3セット等)を決めても良し、日によってむらがあっても結構です。
重要なのは「雑にならないこと」「続けられること」です。
■ 有酸素運動の目安(修正ボルグスケール)

ウォーキングやエアロバイクなどは、回数ではなく「自分の感覚(きつさ)」を基準にします。
医学的には「修正ボルグスケール」と呼ばれる0〜10の段階評価を使います。
骨活や体力作りに最も効果的なのは、「レベル 4~5」の強度です。
レベル 0: 何も感じない
レベル 2: 弱い(散歩)
レベル 4: ややきつい★
レベル5: きつい★
レベル 10: 非常に強い(限界)
【レベル4~5の分かりやすい感覚】
「少し息がはずみ、うっすら汗をかくけれど、隣の人となんとか笑顔で会話ができる程度のペース」です。
時間は1回10〜20分程度が目安ですが、楽しく続けられれば何でもOKです。
おわりに
自分の運動は、特定の目的に偏っていませんか?
トレーニングは目的を理解し、網羅的にメニューを組み合わせることで効果が高まります。
今回の記事をヒントに、ご自身の体力・趣味趣向に合わせて日常生活に落とし込んでいって頂ければ幸いです。
そして骨活は栄養➡運動➡必要なら薬の順番です。栄養に自信がない方は必ずごはんで骨活の方もチェックしてくださいね。
コツコツグルメでは、このように科学的根拠に基づく『骨活』を、専門医による定期的な情報発信を通じてサポートしています。
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参考資料・出典:
- 1. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版
- 2. Watson, W. R., et al. High-intensity resistance and impact training improves bone mineral density and physical function in postmenopausal women with osteopenia and osteoporosis: the LIFTMOR randomized controlled trial. Journal of Bone and Mineral Research. 2018.
- 3. Yoshioka S, et al. Trunk kinematics and muscle activation patterns during stand-to-sit movement and the relationship with postural stability in aging. Journal of Biomechanics. 2021.
- 4. Pellegrini B, et al. Muscular and metabolic responses to different Nordic walking techniques. PLoS One. 2018.
- 5. Nichols JF, et al. Low bone mineral density in highly trained male master cyclists. Osteoporosis International. 2003.
- 6. Wayne PM, et al. The impact of Tai Chi on bone mineral density in postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis. Preventive Medicine. 2007.
- 7. Gómez-Bruton A, et al. Is bone tissue really affected by swimming? A systematic review. PLoS One. 2013.
【免責事項】
本記事の内容は、執筆時点でのガイドラインやエビデンスに基づき作成しておりますが、医学的情報の正確性や安全性を完全に保証するものではありません。
個々の患者様の病状や体質によって、適切な治療法や安全に行える運動の強度は異なります。すでに骨粗鬆症の治療を受けている方、骨折歴がある方、腰や膝などに痛みがある方は、運動を開始する前に必ず主治医にご相談ください。
また、本記事で紹介する運動中の転倒や怪我等につきましては責任を負いかねます。ご自身の体力に合わせて絶対に無理のない範囲で行い、運動中に痛みや強い違和感が生じた場合は直ちに中止してください。自己判断での治療中断や変更は行わず、必ず主治医の指示に従ってください。
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創業医師 金井 研三(かない けんぞう)
東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。
専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。
地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。予防医学×ビジネスに医師が直接コミットする必要性を訴えている。
「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。
日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。