【専門医が解説】
運動で『骨活』ガイド

基礎編

~知っておきたい3つの目的とNG動作

はじめに

こんにちは。「運動で骨活」へようこそ。

強い骨を保つために栄養療法と並んで欠かせないのが運動療法です。

骨粗しょう症の方も、まだ予備軍の方も、取り組むべき骨活の基本の一つです。

しかし、ただ漫然と体を動かすだけでは不十分です。

この記事は整形外科専門医による、「運動で骨活」の徹底解説です。

今回の記事では、運動療法の3つの目的、NG動作について分かりやすく説明します。

是非チェックしてみてください。


運動療法、3つの目的

運動には、大きく3つの役割があります。

今やっている動きが「どこに効いているか」を意識しましょう。

骨に刺激を与える(代謝促進): 負荷をかけて骨を強くします 。

筋肉を鍛える(筋トレ): 筋力とバランスを鍛えて転倒を予防します。

体力をつける(有酸素運動): 身体を長く活動出来るようにします。

この3つです。順に説明します。


代謝促進:骨に刺激を与える理由

19世紀の外科医ウルフ

「骨はそれにかかる力に耐えるように構造を変える」

という法則(ウルフの法則)を見つけました。

刺激がない「不要」と判断され、骨吸収(壊すこと)が進むのです。

宇宙飛行士短期間で骨が弱くなるのはこのためです。

逆に、刺激を与える骨形成(作ること)が進み、強くなるのです。

骨刺激の代表的な運動は、下の2つです。

踵落とし:つま先立ちから踵をストンと落とす

骨マッサージ:骨をトントン叩く


筋トレ:筋肉を鍛える理由

転倒予防の為に筋トレが必要です。なぜなら、

「骨折の約8割は、転倒で起こる」からです。

特に大切なのが、下の3つの「姿勢維持筋」です。

太ももの筋肉(大腿四頭筋)

お尻の筋肉(臀筋群)

体幹の筋肉(腹筋背筋)

これらは、「立つ」「座る」「踏ん張る」ための中心となる筋肉です。

代表的な運動は、下の2つです。

椅子からの立ち上がり:40cm以上の椅子から立ち上がる

片脚立ち:片脚で全体重を支えバランスを取る


有酸素運動:体力をつける理由

有酸素運動で身につくのは、「体力(スタミナ)」です。

「疲れにくい体」を作ることで、結果的に日常の活動量が増えます。

活動量が増える
    ⬇
歩く量が増える
    ⬇
骨への刺激が増える

という好循環を作ります。

代表的な運動は、下の2つです。

ウォーキング:少し息が上がるくらいが理想

軽い体操:ラジオ体操でも〇


NG動作について

運動がきっかけ骨折が起こることもあります。

特に痛みがはっきりしない背骨の「いつの間にか骨折」には注意が必要です。

骨折リスクとして知られた運動を紹介しておきます。

以下の3つの動作およびその組み合わせです。

前屈み:腰を前に曲げる動作がリスクです

脊椎の回旋:腰をひねる動作がリスクです

重い物を持つ:①②との組み合わせでリスクが高くなります

リスクはかなり個人差がありますので、NGとまでは言いません

ですが、動作の参考にはしましょう。

例えば、背筋はOKですが、腹筋腰を曲げず脚の上下運動にする。

物を持つときは腰を曲げるより膝を曲げ腰を落とした方が良い。などです。


おわりに

運動の3つの目的避けた方が良い動作についてお話しました。

一番大切なのは続けられることです。

これなら楽しく続けられる」という運動習慣を作る参考にしてみてください。


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参考資料・出典:

  • 1. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版
  •  
  • 2. Frost HM. Bone’s mechanostat: a 2003 update. Anat Rec A Discov Mol Cell Evol Biol. 2003.
  •  
  • 3. Parkkari J, et al. Majority of hip fractures occur as a result of a fall and impact on the greater trochanter of the femur. Calcif Tissue Int. 1999.
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  • 4. Norton R, et al. Falls and risk of macula and hip fractures in women. BMJ. 1997.
  •  
  • 5. Sinaki M, Mikkelsen BA. Postmenopausal spinal osteoporosis: flexion versus extension exercises. Arch Phys Med Rehabil. 1984.

【免責事項】

本記事の内容は、執筆時点でのガイドラインやエビデンスに基づき作成しておりますが、医学的情報の正確性や安全性を完全に保証するものではありません。

個々の患者様の病状や体質によって、適切な治療法や安全に行える運動の強度は異なります。すでに骨粗鬆症の治療を受けている方、骨折歴がある方、腰や膝などに痛みがある方は、運動を開始する前に必ず主治医にご相談ください。

また、本記事で紹介する運動中の転倒や怪我等につきましては責任を負いかねます。ご自身の体力に合わせて絶対に無理のない範囲で行い、運動中に痛みや強い違和感が生じた場合は直ちに中止してください。自己判断での治療中断や変更は行わず、必ず主治医の指示に従ってください。


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創業医師  金井 研三(かない けんぞう)

東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。

専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。

地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。予防医学×ビジネスに医師が直接コミットする必要性を訴えている。

「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。

日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。