「骨活美容」について:
整形外科専門医が考える骨と美容の関係
はじめに
『骨活美容』という、新しい常識へようこそ。
同じタンパク質を主成分とする「肌」と「骨」
この二つには密接な関係があることをご存じですか?
骨に良い生活「骨活」が、美容にとっても重要な役割を持つかもしれない。
今日は、整形外科専門医の私が、研究を紹介しつつ「美容と骨」について考えてみようと思います。
「骨活美容」とは?
「最近、高価な美容液を使っても顔のたるみが改善しない…」
「若い頃より身長が縮んで、姿勢が悪くなった気がする…」
40代を過ぎると、こうした「見た目の変化」は、多くの方が直面する切実な悩みでしょう。
その原因、もしかしたら「皮膚」や「筋肉」でなく『骨』かもしれません。
『骨活美容』とは、
「骨の健康に良い生活」が、「顔の若々しさ、美しい姿勢」を保つための、
「最も本質的な美容法である」という考え方です。
『美容の悩みが、その後起こる骨粗しょう症と関連しているとしたら』
『骨粗しょう症の予防が、美容にも影響するとしたら』
整形外科医による『骨活』と『美容』の関係に関する話、始めていきます。
「顔の老化」は「骨の老化」?
顔の老化、「皮膚のたるみ」や「脂肪の下垂」はなぜ起こるのでしょう?
それは、軟部組織の「土台」である顔面骨が、加齢と共に**萎縮(骨吸収)**するからです。#1
これが「たるみ」や「深いしわ」(ほうれい線やマリオネットラインなど)の根本的な原因の一つと言われています 。#1
顔の骨、どこから痩せる?
顔の骨について、加齢と共に骨が後退しやすい場所を調べたいくつかの研究があります 。 #1#2
・眼窩(目のくぼみ):
目の周りの骨、特に「上内側」と「下外側」の縁が後退し、眼窩全体が広がっていきます 。これにより目がくぼみ、上まぶたのたるみや、目の下のクマが目立つ原因になります。
・中顔面(うわあご):
鼻の横、いわゆる「ほうれい線」エリアの土台となる上顎骨(頬の骨)が萎縮・後退します 。土台が奥に引っ込むため、中顔面が「へこんだ」印象になり、ほうれい線をより深くする一因となります。
・下顎骨(したあご):
あごの骨、特にフェイスライン(エラからあご先)が痩せていくことで、骨格的な支えが失われます 。これによりフェイスラインが不鮮明になり、口元のたるみ(ジョール)が目立つようになります。
「顔のしわ」と「骨密度」の関係について
骨密度との関係はどうでしょう。興味深い研究があります。
ある研究によると、40歳以降の人で、「顔のしわが多い人ほど、大腿骨と腰椎の骨密度(骨粗しょう症の検査)が低い傾向にあった」そうです。#3
別の研究では、「顔面骨の骨密度」と「腰椎の骨密度」は、加齢とともに同様に低下する傾向が示されています 。#2
つまり、「腰や股関節の骨密度が低い人は、顔の骨密度も低く、しわを増やすかもしれない」ということです。
顔のしわが気になる方は、一度整形外科で骨密度検査の相談をしてみると良いかも知れません。多くは保険適応で出来ます。
皮膚と骨の共通点は?
なぜ皮膚と骨は連動するのか? その答えの鍵は「コラーゲン」です。
骨格を構成するタンパク質は主にI型コラーゲンで、
皮膚のハリや弾力を支える真皮の主成分も、同じI型コラーゲンです 。
ある研究では、骨粗しょう症と皮膚の老化は、加齢やホルモン変化による
**「全身のコラーゲン喪失」という共通の原因によって引き起こされる**
という仮説もあります 。#4
実際、皮膚のコラーゲン量と骨密度には相関関係があることが示唆されており#4、
「皮膚と骨」は同じ「I型コラーゲン」を主材料とする「運命共同体」なのです。
「骨の老化」が「シルエット」を崩す時
「老けた印象」を作る最大の要因として、「姿勢」が挙げられます。
背中が丸まっていると、それだけで実年齢より老けた印象を与えてしまいます。
特に女性では、40歳を過ぎるとこの後弯(猫背)の角度が急速に増加する傾向が報告されています 。#5
放置した先には、、、
いつのまにか骨折
「歳を取るごとに背中が丸まってきた」
「健康診断で、若い頃より身長が3cmも縮んでいた」
整形外科医はこのような場合、「骨粗しょう症による背骨の圧迫骨折」を疑います。
恐ろしいのは、この背骨の骨折は、約66-75%は無症状・無自覚の「いつのまにか骨折」であることです。#6
脊骨が潰れると、身長は縮み、ますます後弯(猫背)になります。強い疼痛が起きてなかなか良くならない場合もあります。
我々整形外科医の出番ですが、曲がった背骨を真っすぐに戻すのは、我々でも簡単な話ではないのです。
「姿勢が悪い」という美容上の悩みが、「いつのまにか骨折している」という手遅れな事態で発覚しないよう、ぜひ予防から始めてください。
今日から始める「コツコツ骨活美容」
『骨活美容』の重要性はご理解いただけたと思います。
『骨活美容』は、『骨粗しょう症対策』と地続きだということも。
では、どうすればよいでしょうか。
今日から骨に良い生活、『骨活』を始めましょう。『骨活』『骨活美容』に早すぎるという事はないのです。
骨活は、4つの柱で出来ています。「栄養」「運動」「(必要なら)通院」「継続」です。どれが欠けてもダメで、4つ全うすることが大事です。
コツコツグルメでは、科学的根拠に基づく『骨活』を、専門医による定期的な情報発信を通じてサポートしています。
必要な情報は全て、ここで無料で手に入ります。まずは友だち登録から⇩

まとめ
以上、整形外科医による『骨活美容』の解説でした。ポイントは以下の3点です。
➀顔の「たるみ」や「しわ」は、皮膚だけでなく、土台となる「顔面骨の萎縮」が影響すること 。
②「老けた姿勢」や「身長の縮み」は、単なる老化ではなく、“起こすべきでない事件”である「無症状の椎体骨折」かもしれないこと 。
③エビデンスに基づいた『骨活』が、エビデンスに基づいた『美と健康のアンチエイジング』となること。
『骨活』に高い投資は不要です。情報は公式ラインで無料で手に入り、何度でも復習出来ます。骨粗しょう症に関しては検査も治療も保険適応です。
思い立ったが吉日、私と共に学び、行動し、継続しましょう。この記事が皆さまの健やかな骨活にお役立ていただければ幸いです。
【免責事項】 本記事の内容は、執筆時点でのガイドラインやエビデンスに基づき作成しておりますが、医学的情報の正確性や安全性を完全に保証するものではありません。 個々の患者様の病状や体質によって適切な治療法は異なります。自己判断での治療中断や変更は行わず、必ず主治医にご相談ください。
引用・参考文献:
- #1 Changes in the Facial Skeleton With Aging: Implications and Clinical Applications in Facial Rejuvenation,Aesthetic Plast Surg.2012 May 12;36(4):753–760.
- #2 Facial Bone Density: Effects of Aging and Impact on Facial Rejuvenation,Aesthetic Surgery Journal, Volume 32, Issue 8, November 2012, Pages 937–942
- #3 A cross-sectional study of the relationship between facial wrinkles and osteoporosis among individuals referred for bone densitometry,July 2023
Journal of Pakistan Association of Dermatologists 33(3) - #4 Osteoporosis, like skin ageing, is caused by collagen loss which is reversible,J R Soc Med
. 2020 Apr 14;113(4):158–160. - #5 Age-Related Hyperkyphosis: Its Causes, Consequences, and Management – PMC,J Orthop Sports Phys Ther. 2010 Jun;40(6):352–360.
- #6 Height Loss, Vertebral Fractures, and the Misclassification of Osteoporosis – PMC – NIH, Bone. 2010 Sep 24;48(2):307–311.
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創業医師 金井 研三(かない けんぞう)
東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。
専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。
地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。予防医学×ビジネスに医師が直接コミットする必要性を訴えている。
「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。
日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。

整形外科専門医

創業医師 金井 研三(かない けんぞう)
東京生まれ湘南育ちの射手座。
横浜市立大学医学部卒、臨床経験10年超の整形外科専門医。
専門は脊椎外科。急性期病院で多忙な日々を送り研鑽したのち、地域医療に携わる。
地域における超高齢化と骨粗鬆症の増加に強い危機感を抱き、現役医師として働く傍ら、骨粗鬆症予防専門の冷凍食品と情報提供サービス「コツコツグルメ」を開発。
「食から骨を守る」新しい仕組みづくりを通じて、SDGs目標3『すべての人に健康と福祉を』目標11『住み続けられるまちづくりを』の実現に貢献している。
日本の健康寿命を延ばし、骨折を減らして整形外科医の仕事をなくす――そんな未来を目指して、日々、啓発活動と臨床に取り組んでいる。